CH 02-12 賃貸借

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教科書解説|権利関係
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賃貸借とは

賃料を対価に物の貸し借りをすることです。

賃貸借の存続期間

存続期間は契約の有効期間と思ってもらってOKです。

存続期間は50年を超えることができず、

50年を超える期間を定めた場合には50年に短縮されます。

更新後も50年は超えることができません。

民法の賃貸借の上限は50年、とおぼえましょう。

期間の定めのない賃貸借も有効です(解約があるまで賃貸借が続く)。

賃貸借の終了

期間の定めのある賃貸借の場合

原則、期間満了で終了します。

ただし、期間終了後も賃借人が使用を続けている場合、

賃貸人がこれを知りながら異議を述べなかったときは、

従前の賃貸借契約と同じ条件で更新されたものと推定されます。

期間の定めのない賃貸借の場合

当事者はいつでも解約の申入れをすることができます。

解約の申入れがあったときは、以下の期間で終了します。

■土地…申入れの日から1年経過後

■建物…申入れの日から3カ月経過後

民法における賃貸借の対抗要件

賃借権は登記があれば、第三者に対抗することができます。

賃貸人・賃借人の権利義務

目的物の修繕

賃貸人による修繕等

【原則】

・賃貸人は、賃貸物の使用や収益に必要な修繕をする義務を負います。

・賃貸人が、賃貸物の保存(状態の維持)に必要な行為をするときは、賃借人は拒めません。

【例外】

賃借人のせいで修繕が必要になった時は、賃貸人はその修繕をする義務を負いません。

賃借人による修繕

賃借物の修繕が必要、かつ、下記の場合は賃借人は修繕できます。

①賃貸人に修繕が必要な旨通知した、または賃貸人がそのことを知っているのに、

 賃貸人が相当の期間内に必要な修繕をしないとき

 (”直ちに”修繕しないときではないので注意です)

②急迫の事情があるとき

 (賃貸人の許可を待っていられないほど危険な状態のとき)

必要費と有益費

1|必要費

目的物の現状を維持するために必要な支出です。

賃貸人による修繕等にもあったように、使用や収益に必要な修繕費用(必要費)は

賃貸人が出すべきですが、賃借人が立て替えておくこともあります。

そんな時は、賃借人は賃貸人に対して直ちにその費用を返して、と請求できます。

2|有益費

目的物の価値を増加させるための支出です。

設備などを新設したり、最新型に交換したりすることが該当します。

(エアコンなし→設置した、最新型のウォシュレットに交換したなど)

賃借人が有益費を支出したときは、賃貸借契約の終了時に、

その価値の増加分が残っていれば、賃貸人は「賃借人が支出した金額」か

「賃貸借の終了時に残っている価値の増加額」のどちらかを選択し、

その額を賃借人に返さないといけません。

原状回復義務

賃借人は、賃借物を受け取った後に生じた損傷がある場合、賃貸借が終了したときに、

その損傷につき、借りる前の状態に戻す責任があります。

ただし、賃借人のせいではない損傷や、通常の使用によるものおよび経年劣化を除きます。

賃料の減額等

賃借物の一部が、賃借人の責任ではないことで滅失等して

使用や収益ができなくなった場合、賃料は、その滅失等の割合に応じて減額されます。

もしその滅失等で、残った部分だけでは賃借をした目的を果たせないときは、

賃借人は契約の解除ができます。

不動産の賃借人による妨害の停止の請求等

賃借人が賃借権の対抗要件を備えた場合、次の請求をすることができます。

①第三者が賃借人の不動産の使用を妨害している場合(妨害排除請求)

②第三者が賃借人の不動産を占有している場合(返還請求)

①は自分が使いたいのに邪魔してくるのやめて、②は返して、の違いです。

賃借権の譲渡・賃借物の転貸

賃借権の譲渡…賃借人が賃借権を他の人に譲り渡す

賃借物の転貸…賃借人が借りている物を又貸しする

無断譲渡・無断転貸の禁止

どちらも賃貸人の承諾が必要です。

承諾は賃借人・転借人どちらにしてもOKです。

無断譲渡・転貸があった場合は、原則、賃貸人は契約を解除できます。

例外で、賃貸人に対する背信的行為と認めるに足らない

事情がある場合は、解除できません。

(信頼関係を破壊するまでの行為ではないとき)

なので、教科書の問題文のように「事情のいかんにかかわらず」と

例外を認めないで解除できるとあったら×です。

賃借権の譲渡・賃借物の転貸の効果(承諾がある場合)

1|賃借権の譲渡の効果

BがCに賃借権を譲渡した場合、Cが新賃借人となります。

(賃貸人AとBの関係は終了)

AはBに対しては賃料を請求できなくなり、Cに対しては請求できるようになります。

2|賃借物の転貸の効果

又貸ししている状態なので、譲渡と違って賃貸人AとBの関係は終了しません。

もしAがBに賃料を請求して支払いがなかった場合、AはCに直接賃料を請求できます。

(転借人に請求する場合、賃借料と転借料のどちらか低い金額が限度額)

賃貸借の解除と転貸借

賃貸人Aと賃借人Bの賃貸借が終了した場合、

その終了事由によって転借人Cはどうなるか2パターンに分かれます。

①AとBが合意による解除の場合

⇒AはCに対抗できません(明け渡し請求できない)

※「債務不履行による解除権を合意解除時に有していた」というのは、

 本来はBの債務不履行で解除していたところを合意解除で丸くおさめたような形です。

 そんな時はAはCに合意解除を対抗することができます。

②Bの債務不履行による解除

⇒CはAに対抗できません(出ていかないといけない)

 このとき、AはCに賃料を支払う機会を与える必要はありません。

敷金

賃借人が賃料を支払わなかった場合などに備えて、

賃借人が賃貸人に預けておくお金です(もし残っていれば返却される)。

個人的に、敷金は退去時の原状回復費用に充てているものだと思ってました。

賃料を払わなかった場合や、名目を問わずとあるので

色々な債務の担保にされるようです。

賃借人のほうから「未払いの賃料は敷金から出して」ということはできません。

敷金の返還時期

賃貸借契約が終了し、賃貸物を返還したあと、または賃借人が

適法に賃借権を譲り渡したときです。

教科書ひとこと欄のように、「賃貸物の返還」と

「敷金の返還」は同時履行の関係にありません。

他は売買などだいたい同時履行の関係にあるので、

ひとまず敷金の返還だけは違うとおぼえておくといいと思います。

不動産の賃貸人の変更と敷金

賃貸物である不動産が譲渡されたときは、

賃貸人の地位は新賃貸人(譲受人)に移転します。

(賃借人が賃貸借の対抗要件を備えていない場合、譲渡人と譲受人との合意がいる)

CH 02-09にもありましたが、登記があれば新賃貸人だと主張できます。

賃貸人の地位が譲受人に移転したとき、所有権移転登記をしていれば

明渡し後に敷金を清算して、賃借人へ返す義務は譲受人に引き継がれます。

賃借人の変更と敷金

賃借権の譲渡で賃借人が変わった場合、敷金についての

権利義務は新賃借人に引き継がれません。

次回に続きます。

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